この写真は、先週12日の付知峡の風景だ。
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週末に雨が降り、少し気温が上がると。
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雪はきれいに消えてしまった。
今日の付知は少し風が強いが、いい天気だ。
二つ目 森林に対する考え(現在) について。
森林整備として、植栽から利用間伐まで一連の流れがあるが、
この作業をを行う時期は、四季との関係が深い。
これには、理由がある。
『植 栽』
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苗木は生き物であるため、冬に植えると根も張っていないため、
雪の重みに負けてしまったり、苗木自体が凍ってしまうおそれがある。
夏に植えると、雑草に栄養分を取られ成長できず、暑さに負けて枯れてしまうおそれがある。
なので、春先もしくは秋(お彼岸過ぎ)に植栽するのが最適だ。(8割は春先に植えている。)
『下刈り・除伐』
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田んぼや自宅周辺と同じで、雑草が元気に成長するのが、梅雨明けから10月頃までとなり、
暑い時期での作業となる。
苗木の成長にもよるが、下刈りを年2回実施する場合もある。
除伐についても、作業期間は下刈りを同じ、雑木は水分を含んでいた方が柔らかいため、作業がしやすい。
ただ、雑木の葉っぱが落ちてからの方が、見通しがよいため場合によっては作業を冬に行う事もある。
(雑木が固くなるのと、積雪量によっては、切り口が高くなるデメリットがある。)
『枝打ち』
苗木が、水分を吸い上げなくなる秋から春にかけて行う作業となり、
寒い時期での作業となる。
ノコギリを使い枝打ちを行うことになるが、苗木が水分を吸い上げている時期に行うと、
苗木自体柔らかいため、樹皮がめくれたり、切り口より雨水・虫などが混入してしまう恐れがある。
なので、枝が太くなる前に、適時枝打ちを行うのが理想。
(切り口が大きいと、樹皮が切り口を覆うのに時間がかかり、傷が付いてしまう。)
『保育間伐・利用間伐』
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枝打ちと同じように、樹木が水分を吸い上げている時期では、樹木自体柔らかく、
伐り倒した木もそうだが、残す木も樹皮がめくれたり傷の元になってしまうため、
こちらも、寒い時期での作業となる。
利用間伐は特に、製品を扱うのと同じであり、傷が付いてしまうと価値が下がってしまう。
伐った後もそうだ。
暖かい時期では、切り口に虫が付いてしまうため、早目に運搬を行い市場で防腐処理を行わないと、
虫による傷が付いてしまう。
昔は、四季ごとの作業をしっかり進めていた。
だが、現在は違う!!
季節を問わず、保育間伐 や 利用間伐 を行っている。
いや、『行わなければ ならなくなって しまった。』と言うのが正しいだろう。
保育間伐は、残す木に気を付けながら作業を行えば大丈夫だが、
利用間伐を夏場に行うのは、いかがなものかと・・・
そうなってしまった要因がある。
一昔前は、自宅を新築する場合、自分が育てた木を使う方が多く見られた。
または、建築材に使用するには乾燥に時間が必要とするため、伐り出した木材を市場に販売し、
その売り上げを元手に建築材料を購入していることも。
木材 一本で 何十万円 という値段がついた時代だ。
今はどうだろう?
一本で2千円程度・・・。
ただし、、木の状態によって価格が異なるため、参考程度に思ってほしい。
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森林所有者の生活環境も変わり始めた。
石油製品の普及により、お風呂・ストーブ等に薪を使わなくなってしまった。
CO2等の問題もあるため、薪を使うことが良いとは限らないが、
薪を準備するため、大人から子供まで、必ず森林へ行く機会はあったのでは。
世代交代も要因の一つだ。
相続等で森林所有者が若い世代となり始めている。
日々の生活・仕事に追われ、また娯楽が色々と増え、
生活していく上で、やらなくては行けない事が多くなった。
森林を整備しなくても生活が成り立つため、森林に対する関心が薄くなっているのが事実!
『生活にかける費用順序を考えると、森林整備は何番目になるのでろう!?』
昭和から平成にかけて、年間20万本ものヒノキ苗「を生産し、植栽を行っていた。
植栽面積としては、年間60ha程となる。
だが、木材価格が徐々に下り始めるとともに、苗木の出荷量も減少し始めた。
今年の出荷量は、300本となる・・・。
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そうした中でも、森林整備を進めて来られたのは、
国・県・市町村が助成している、造林補助金制度のおかげだ。
勘の良い方はお気付きだと思うが、
造林補助金は、皆様方の税金で賄われている。
税金である以上、適正に精算を行わなくてはならない。肝に命じて業務を行っている。
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造林補助金は、森林組合に交付されるものではなく、
森林整備を行われた、森林所有者に対して交付されるものであり、
森林整備に掛かる費用負担を少しでも軽減し、
森林の重要性や森林整備の必要性を推進するための制度だ。
この写真のように、災害が起きないように!!
平成10年。 節目となった年だ。
公共造林が縮小。
皆伐(全て木を伐る事)は行わず保育を中心に施業を行う方針となった。
保育中心と言っても、木が大きくなれば、ある程度は利用間伐を行う。
ただ、『植栽は行わない』と言うことだ。
植栽が行われなければ、
当然、下刈り・除伐・枝打ちを行う場所が減少する。
木を育てるための施業は、保育間伐と利用間伐だけとなってしまい、
冒頭に述べた、森林整備としての一連の流れが崩れることに。
さらに拍車をかけたのが、造林補助金制度の見直しだ。
制度の見直しは大事だ。
その時々の情勢に合わせる必要はあるだろう。
今回の見直しは、
国際諸情勢の変化で原木調達を外国産材から国産材に転換する動きや、
地球温暖化防止・低炭素社会等、国産材需要が拡大する気運が高まり、
国は、今後10年以内に国産材自給率を50%以上とする、
『森林・林業再生プラン』を作成し、新成長戦略・国家戦略プロジェクトとして、実施し始めた。
国産材の自給率を上げる方針は賛成だ。
もっと多くの方に国産材を使っていただきたい。需要が多くなれば木材価格も少しは上がるだろう。
だが、
大手住宅企業を見ても、主流はやはり外国産材だ。
国産材を活用するために、「国産材を利用した際の補助制度」はあるものの、
制度が難しく、制度の活用を躊躇してしまうのも事実。
当森林組合も、この制度を活用しバンガローを建設した。
森林キャンプ場の、Cタイプバンガローだ。
外国産材を規制するか、国産材利用の制度を見直し活用しやすいものにするなど、
需要が増える政策を打ち出してくれるとよいのだが・・・
話を戻そう。
当森林組合も、新しい造林補助金制度に沿って、森林整備を進めている。
利用間伐を中心に・・・
新しい補助金制度は、『木材の搬出量に応じて交付』される事となったためだ。
ある程度の予測はしていたが、
各森林組合が同じ取り組みを行っている。そのため、木材の搬出が各地で進み、
木材市場に集まり過ぎてしまい、木材価格はさらに下落した。
今年の4月の話だ。
森林所有者に整備を進めた手前、ある程度は利益をお返したいが、
木材の売り上げだけでは、森林整備に掛かった事業費が精算できず、
交付される補助金を合わせて、なんとかお返し出来る状態だ。
暗い話をしていても、先は開けない。
目の前には、整備が必要な森林がある。
付知町の森林を守り・育てるため、今は歯を食いしばり頑張るのみ!!
ただ、森林組合だけが頑張っても限界ある。
それには、森林所有者の理解が必要となるのと、
森林を所有していない方にも、森林の大切さ・林業の現実を知っていただけると、大きな力となる。
昔のような木材価格になる事はもうないだろう。
だが、循環できる森林でありたいと思う。
誰が見ても、良い森林と思えるように。
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つづく。